Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
「さがしましょう! 大丈夫だ! 風が来る以上風穴はある! ……それをさがして、それをさがして!」
二人はそれをさがし出した。
「風は石棺から来るようです!」
いぶかしそうに梶子は叫んだ。
「たしかに石棺から来るのです! ……」
「そうですそうです!」
と民弥も叫んだ。
「石棺のどこかから来るようだ! ……この石棺にとりついてさえいれば、息が楽になるのだから!」
「でもどうして石棺なんかから? ……どうでもいい! どうでもいい! ……石棺に一生懸命縋っていましょう!」
「そうですそうです、縋っていましょう」
二人は石棺に無二無三に縋った。
と、二人の躰の力で、石棺の蓋の錠が砕け、強いバネが刎ねたらしく、蓋は猛烈に刎ね返り、二人は床に投げ出された。
と同時にド――ッとばかり、潮気を含んだすがすがしい風が、石棺の口から吹き上がった。
「民弥様アーッ、風が風が!」
「おおおおおお! 風が吹き込んで来た! もう大丈夫だ! 助かった! ……でもどうして石棺の中から風が!」
「わかりますわかりますわたしにはわかります! ……これはよくあるカラクリなのです。……石棺の形にこしらえた、これは立派な抜け穴なのです」