Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
東海道の人々
「……よく立ち聞きしてくだされた。いやよく話してくだされた。……ほほうそれでは梶子殿には、松浦という若い武士と、女男の人形とやらを警護して一緒に旅するというのだね。……松浦という武士がやって来たのは、その人形を梶子殿より、取り返すためだというのだね。……ふうん」
というと考え込んだ。
(梶子と民弥と一緒に行く! ということであってみれば、俺は梶子とは一緒に行けない。梶子の附け人というお役目も、今日かぎりオサラバだ。……女男の人形? 女男の人形? こいつに何か曰くがあるな。……ヨーシ、こうなればヤブレカブレだ! ……途中に要して民弥を討ちとり、梶子を手に入れて腕ずくでも、想いを懸けた、想いを晴らし、女男の人形というやつも、こっちの手へ捲きあげてやろう!)
東海道の人々
その翌日のことであった、東海道は賑わっていた。
おりからの好天気で朝から暑く、街道は砂塵と陽炎とで、茫と霞んでいるほどであったが、松の並木には微風が渡り、江戸湾の潮には白帆が浮かび、眺望はまことに美しかった。
そういう街道を行くものは、旅の武士、僧侶、道中師、女子供を引き連れて、ポツポツ歩く町人や百姓、威勢のよいのは通し駕籠で、江之島見物に行くらしい大尽、それより厳めしく感じられるのは、槍を立て馬に乗り供人多数に、囲まれて行く大身のお武家。