Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme

Aozora Bunko

……その刃三十郎氏が、やはりこの洞内におりましてな、北側の口より出て参られ、その儀われらにお知らせくだされ、その上洞内にてとらえた由にて、明暦義党の女同志、菊女という女をわれらの手へ、お引き渡しくだされましたよ」

「まあまあさようでございますか。……刃三十郎さんも洞内にいた? ……へえ、それでは洞内には青塚事件の大立て者が、みんないたということになるんですねえ。……その刃三十郎さんとは、あの事件以来別れてしまったが、へえ岩山の北口にいる。……じゃア久しぶりで行って逢おうかしら。……菊女っていう女がとらえられた? ……謀反人の明暦義党の女、とらえられたはいい気味いい気味」

こうは云ったが梶子としては、

(それでは刃三十郎め、うまうま洞内から出たものと見える。三十郎は民弥さんの敵、ヨーシ民弥さんを手びきして、今度こそ三十郎を討ちとってやろう。……菊女という人には恩怨はないが、噂にきくと女丈夫とのこと、とらえられたはお気の毒、わたしの力で救い出してやろう)

と、こう決心しているのであった。

ヒョイと梶子は立ち上がり、

「それでは霜降様ごめん遊ばせ」

「ごめん遊ばせと仰せられても、このシケに一人で女の身で、このような夜にどこへ参られます?」