Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
「では紀州藩士らに、何故あのようなこと仰せられて?」
「お前さんと差し向かいになりたかったからさ」
「や、どうも、それはそれは」
いよいよ三十郎は嬉しくなった。
「や、どうも、それはそれは。……で、ああいって藩士たちを、追い払ったという次第でござるかな。……して拙者へのご用というは?」
「いい人に逢って貰いたいのさ」
云い云い梶子は背後を振り返り、手を上げて合図した。
と、民弥が刀抜きそばめ、真一文字に駈つけて来た。
「珍しや刃三十郎オーッ」
「ワ、わりゃア、松浦民弥!」
「三十郎さん本望かい! とんだいい人に逢わせて貰って!」
討つか?
「三十郎オーッ」
と松浦民弥は、刀真っ向にふりかぶりながら、三十郎へジリジリと進んだ。
「逢うては逃がし逢うては逃がしたが、今度こそ逃がさぬ。覚悟いたせ!」
刻み足してジリジリと進んだ。
三十郎の驚きようは!
(さては計られたか残念千万! しかしたかが民弥一人! 後は女の梶子と菊女、助太刀したところでたかが知れている)
こう思ったのでセセラ笑い、
「松浦氏か、また、逢いましたなア、もうこうなっては仕方ござらぬ。討つか討たれるかこの辺のところで、アッサリかたをつけましょうぞ、参れーッ」