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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme

Aozora Bunko

「さようさよう、申すまでもござらぬ」

と、関口勘之丞という武士が云った。

三十七、八の痩せた武士で、食えないところから虚無僧となって、田舎などへ出かけて行く男であった。

「さようさよう、申すまでもござらぬ。……が、萩丸様今日まで、我を張って宥免状認めませぬ。じゃによって殺そうと申すまでで」――

――知れた事よ! と云ったように少しく冷笑的に勘之丞は云った。

「では萩丸様意を翻えされ、その宥免状認めましたなら、殺す必要がござりますまいが」

「知れたことで、申すまでもござらぬ」

「では妾が何んとかして……」

「ナニあなたが何んとかして……」

と、加藤東作という太平記読みが――これもその日の生活のために、しがない大道の太平記読みをして、かつかつ暮している男が云った。

「宥免状書かせると仰せられるか?」

「出来るか出来ないかは二の次としまして、ともかくも致して見ましょうほどに……」

「駄目じゃ! 手ぬるい! 今さらそんな!」

こう癇癖に云ったのは、やっと前髪を取ったばかりの、寺侍の戸島粂之介であった。

「今日まで我々の云うことをきかず、宥免状書かぬあの萩丸、女の身の菊女殿が策したとて、何んのオイソレと書きましょうぞ!」