Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
「ではとうとう若手の藩士たち、我を折ったものと見えますのう」
「なかなかもちまして若殿ばらども、我を折りませんでござりまする」
水野大炊頭も微笑しいしい、少し困ったというように云った。
「若殿ばらが我を折らない。……しかも我々を自由にする? ……少し符牒が合わないようじゃ」
「それはそれでよろしいのでござります」
「ははあ、さようか、それはそれでよいと。……するとお館様お得意の、外交手腕を働かせて、あっちを立てこっちを立てて……いや英雄というものは、何かといそがしいものでござるな。……そこで云うまでもなく明暦義党の輩は――当家においてお捕えなされた、二十人の明暦義党の輩は、お許しくださるのでござりましょうな?」
「斬罪に処しますでござります」
「まあ」
と仰天して梶子が云った。
「まア、そんなことが、そんなことがあろうか!」
「斬罪に処しますでござります。……しかも今夜、牢内において」
大炊頭は平然として云った。
梶子はすっかり血相を変え、
「それではせっかくわたくしどもが、萩丸様をお返ししたり、宥免状を差し上げて、お許しをおねがいいたしましたことが、水の泡になるではござりませぬか! ……斬罪! 馬鹿な! そのようなことが!」