Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
そこで民弥は蓋をあけて見た。
三尺大の女男の人形が、精巧を極めた細工の下に、活けるがように作られたのが、箱一杯に現われた。
それはいうところの内裏雛型で、男の方は衣冠束帯、女の方は十二単衣の、艶麗を極めたものであった。
「これはお見事、これはお美しい」
と、民弥は思わず声をあげた。
「見事な人形でございますなア」
「さよう、まことに見事なものじゃ」
姉小路卿は微笑しながら云った。
「作も見事だが装飾の方が、一段見事で高価じゃそうな」
「ははあさようでございますかな」
「お姫様の方のかむっていられる金冠、それは純粋の黄金で、真ん中に嵌めてある光の強い宝玉、わしにはハッキリ解らないが、イスパニアあたりの紅毛人が、向こうの国から持って来たもので、向こうの国では黄金などより、幾百倍となく珍重する、金剛石という宝石じゃそうな」
「金剛石でございましたら、私もそれの高価のことを、以前に承わりましてござります。拇指の先ほどの大きさで、幾千両と申しますことで」
「さようさよう、そうだそうだね」
「男雛の差している太刀の柄にも、同じほどの大きさの金剛石が、嵌め込まれおりますでございますな」