Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lesen Sie 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.496 Zeichen · 368 Bildschirme
ここでジロリと姉小路卿を見た。
卿はすっかりステバチになった。
(かまうものか、ブチマケてしまえ。なまじこういう女には、隠しだててはよくあるまい)
で、平然とした口調で云った。
「関白鷹司卿のお妹君、簾子姫様へでござりますじゃ」
「まあまあまあ、あのお姫様へ! ……簾子姫君様でござりましたら、この妾もなみなみならず、お目かけくだされましてござりまする。……あのお方へ伊豆守様より恋の進物?」
またジロリと姉小路卿を見た。
(こいつは苦手だ)
と姉小路卿は思った。
(かぶとを脱がなければいけないらしい)
そこで剽軽に額のあたりを、姉小路卿はポンと打ち、
「梶子殿あやまる、わしの失言じゃ! そうそう虐めるものではない。――恋の進物などと申したこと、わしの失言、あやまるあやまる!」
ここでまたポンと額を叩いた。
梶子もこれには吹き出してしまった。
が、なかなか妥協しようとはしないで、
「いえいえ仮りにも姉小路様、京都にお公卿様は多うございましても、随一の智恵者と立てられまするお方が……」
「千慮の一失! 千慮の一失!」
「失言などと、何んの何んの」
「それがやっぱり失言での」