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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこまち

猫町 他十七篇

萩原 朔太郎

Lesen Sie 猫町 他十七篇 (ねこまち) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.483 Zeichen · 58 Bildschirme

Aozora Bunko

しかるに実際は大ちがいで、私は書き物をする時の外、殆ど半日も家の中にいたことがない。どうするかといえば、野良犬みたいに終日戸外をほッつき廻っているのである。そしてこれが、私の唯一の「娯楽」でもあり、「消閑法」でもあるのである。つまり私が秋の季節を好むのは、戸外生活をするルンペンたちが、それを好むのと同じ理由によるのである。

前に私は「散歩」という字を使っているが、私の場合のは少しこの言葉に適合しない。いわんや近頃流行のハイキングなんかという、颯爽たる風情の歩き様をするのではない。多くの場合、私は行く先の目的もなく方角もなく、失神者のようにうろうろと歩き廻っているのである。そこで「漫歩」という語がいちばん適切しているのだけれども、私の場合は瞑想に耽り続けているのであるから、かりに言葉があったら「瞑歩」という字を使いたいと思うのである。

私はどんな所でも歩き廻る。だがたいていの場合は、市中の賑やかな雑沓の中を歩いている。少し歩き疲れた時は、どこでもベンチを探して腰をかける。この目的には、公園と停車場とがいちばん好い。特に停車場の待合室は好い。単に休息するばかりでなく、そこに旅客や群集を見ていることが楽しみなのだ。