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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこまち

猫町 他十七篇

萩原 朔太郎

Lesen Sie 猫町 他十七篇 (ねこまち) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.483 Zeichen · 58 Bildschirme

Aozora Bunko

秋と漫歩

四季を通じて、私は秋という季節が一番好きである。もっともこれは、たいていの人に共通の好みであろう。元来日本という国は、気候的にあまり住みよい国ではない。夏は湿気が多く、蒸暑いことで世界無比といわれているし、春は空が低く憂鬱であり、冬は紙の家の設備に対して、寒さがすこしひどすぎる。(しかもその紙の家でなければ、夏の暑さがしのげないのだ。)日本の気候では、ただ秋だけが快適であり、よく人間の生活環境に適している。

だが私が秋を好むのは、こうした一般的の理由以外に、特殊な個人的の意味もあるのだ。というのは、秋が戸外の散歩に適しているからである。元来、私は甚だ趣味や道楽のない人間である。釣魚とか、ゴルフとか、美術品の蒐集などという趣味娯楽は、私の全く知らないところである。碁、将棋の類は好きであるが、友人との交際がない私は、めったに手合せする相手がないので、結局それもしないじまいでいる次第だ。旅行ということも、私は殆どしたことがない。嫌いというわけではないが、荷造りや旅費の計算が面倒であり、それに宿屋に泊ることが厭だからだ。こうした私の性癖を知ってる人は、私が毎日家の中で、為すこともない退屈の時間を殺すために、雑誌でもよんでごろごろしているのだろうと想像している。