Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこまち
猫町 他十七篇
萩原 朔太郎
Lesen Sie 猫町 他十七篇 (ねこまち) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.483 Zeichen · 58 Bildschirme
老年と人生
老いて生きるということは醜いことだ。自分は少年の時、二十七、八歳まで生きていて、三十歳になったら死のうと思った。だがいよいよ三十歳になったら、せめて四十歳までは生きたいと思った。それが既に四十歳を過ぎた今となっても、いまだ死なずにいる自分を見ると、我ながら浅ましい思いがすると、堀口大学君がその随筆集『季節と詩心』の中で書いているが、僕も全く同じことを考えながら、今日の日まで生き延びて来た。三十歳になった時に、僕はこれでもう青春の日が終った思い、取り返しのつかない人生を浪費したという悔恨から、泣いても泣ききれない断腸悲嘆の思いをしたが、それでもさすがに、自殺するほどの気は起らなかった。その時は四十歳まで生きていて、中年者と呼ばれるような年になったら、潔よく自決してしまおうと思った。それが既に四十歳を過ぎ、今では五十歳の坂を越えた老年になってるのである。五十歳なんて年は、昔は考えるだけでも恐ろしく、身の毛がよだつほど厭らしかった。そんな年寄りになるまで生きていて、人から老人扱いをされ、浅ましい醜態を曝して徘徊する位なら、今の中に早く死んだ方がどんなにましかも知れない。