Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうさいかていえんまんじゅつ

猿々合戦

小野 佐世男

Lesen Sie 猿々合戦 (きょうさいかていえんまんじゅつ) von 小野 佐世男 (おのさせお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.526 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

私は次の瞬間、

「ワアーッ」

と叫んで隣室と境いの襖を蹴破った。

「姉さん!」

「………」

「おばあさんが出た」

「おばあさんだア……」

二人は階段をかけ下りたが、途中で二人共足を踏み外してしまった。そして申し合わせたように気を失い、息をふき返したのは、夜中の二時だった。家中は大騒ぎになった。

「おばあさんの幽霊だって?……そんな馬鹿な」

父は夢でも見たのだろうと言って笑った。しかし、その時は夢中で気付かなかったが、姉も同じ頃同じ目にあっていたのだった。だから私が襖を蹴破った時、姉はすでに起きていて、期せずして「おばあさんがでた」と叫び合ったのだ。姉と私は、女中のかやがいれてくれた熱い茶で、やっと人心地をとりもどした。

「ほんとにおかしいね。夢なら、同じ夢を同時に二人が見るはずはないね――」

母の顔は蒼ざめていた。

「旦那様、なんだか私も胸苦しかったですよ。なにかこの家は、ぶきみでございますよ」

かやは、寝巻の襟をかき合せて、ぞッとしたように言った。すると書生の徳吉さんと父が、

「そんな馬鹿なことがあるものか」

と、二階へ上っていったが、やがて降りてくると、

「布団もぬれてないし、鼠一匹いないじゃないか。