Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうさいかていえんまんじゅつ

猿々合戦

小野 佐世男

Lesen Sie 猿々合戦 (きょうさいかていえんまんじゅつ) von 小野 佐世男 (おのさせお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.526 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

二階からかやが私たちの夜具をもってきたとき、昨夜の老婆の水のしたたりや、血痕が残ってはいまいかと、あっちこっちとしきりに触ってみたが、綺麗な花模様のフンワリとした布団には、何の変化も見られなかった。

私たちは、母たちと混って寝た。母がいると思うと、不安の気持は少しも起らず、私はいつのまにかぐっすりと気持ちよく寝こんだ。ところが、真夜中に部屋の中が妙に騒がしいので、ふと眼を覚ましてみると、父の青ざめた顔を中心に、家中の者が車座に集り、なにかしきりと喋べり合っていた。

「ばあさんがでた! ほんとだ! ほんとだ! ぬれねずみのばあさんだ!」

父の声だ。私もいつか寝具から脱けだすと、こっそり車座の中に割りこんで聞き耳を立てた。

父の話は、私が昨夜見たものと全く同じだった。

「怪しい、ふしぎな家だ。ウーム」

語り終った父は、腕をくんで考えこんでしまった。私はいつか母の腕にしっかりとすがりついていた。

「幽霊屋敷ですよ。いやですわ。あなたは馬鹿に趣味のこった良い家が見つかったなんておっしゃいましたが、私はこの門に着くなり、いやァな気がしましたよ。かやだって台所に長くいると、なんだか寒気がしてくるといってますよ」