Japanische Klassiker mit Furigana
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ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
Lesen Sie 禰宜様宮田 (ねぎさまみやた) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.662 Zeichen · 68 Bildschirme
何を云われても、彼はただハイ、ハイとお辞儀ばかりをした。
一通り云うだけのことを云うと、年寄りはもったいぶった様子で、仰々しい金包みを出した。
麗々と水引までかかっている包みを見ながら、禰宜様宮田は、途方に暮れたような心持になりながら、ぎごちない言葉で辞退した。
「ほんにはあお有難うござりやすけんど……
俺ら心にすみましねえから……」
けれども年寄りの方では、喉から手が出そうに欲しくても、一度は「やってみる」遠慮だと思ったので、唇の先だけで、
「まあ御遠慮は無用だよ」
と云いながら、煙草を吸い込む度に目を細くしては彼の様子を見ていた。
が、彼はどうしても納めようとしない。
貰わない訳を彼は説明したかったのだ。けれども、何より肝腎の、
「俺の心にすまんねえもの」
を、云いとくに入用だけの言葉数さえ知らない上に、どういう訳だからどうなって俺の心に済まないのかと、いうことは、彼自身にさえよくは分っていない。
ただ心に済まない気がする。後にも先にもそれだけなのである。けれども、その漠然とした「気持」が、どんなにしてもごまかせもせず、許せもしない強さで彼の心を支配しているのである。