Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(一) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 246.214 Zeichen · 495 Bildschirme
その二年余りを、彼の腹の虫は、
「ばかげたことだ」
と、不逞に嘲って、不逞を腹に育てずにいられなかった。
新田家としては。「これは幕命である、たとえ両家の好誼は欠くも、ぜひのない儀――」と、しているに相違ない。
だがそれは公式の弁。本心はべつだろう。
由来、新田足利二家の関係は、ただ隣国だけのよしみではない。血においても親類といえる。事は古すぎるが、八幡太郎義家から祖を同じゅうしてきた同根の家すじなのだ。この地方での領土の開発や勢望でも、ほぼ互角の豪族として並び栄えてきたのである。
ところが、頼朝旗上げのさい、新田党の祖は不首尾をやっている。それがたたッて北条幕府代々の後までも、新田家は浮かばれなかった。いまの当主、新田小太郎義貞の代となっても、その格式は、足利家の下風におかれ勝ちだった。
いわばよくいう“遠くの親類、近くの他人”だ。さらには、幕府の方針も、両家の反目をもって、つねに両勢力を撓めておく巧みな治策としていたのもいうまではない。
「それには、この身は恰好な具に使われたらしい。おれもばかだが、そんな手にのる新田もばか者よ。……が、どうなとなれ。