Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しほんたいへいき

私本太平記(一)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(一) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 246.214 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

わざと、諸方いずれへも、一切の往来を絶ッてまいった」

「が。このたびは?」

「されば。どうしても、この俊基ならでは、ほかに堂上人では、御使いに立つべき、ふさわしい人もないとの集議で、ぜひなく、また隠れ蓑を着て忍びの旅に出てまいった次第だが。――ま、申さば、陽春の気と共に、蛇も穴を出るとやらのことか」

「では……」と、義辰は俄に、その猪首と声をひくめて。

「いよいよ、禁中のおしたくも調い、大事御決行の時節も近くにせまりましたかな?」

「いや、なかなか。一朝には、そこまでのお運びにはいたらぬ。この河内はもとより近畿一帯、ひでりの雨を待つように、世の世直しを望む風は下々にまで見えてはおるが」

「して、こんどの御使命は」

「特に、太夫にだけは明かすが」

俊基はあらたまって、その目的を、うちあけた。

先日の南都行幸も、次いで予定されている叡山行幸も、すべては、朝廷お旗上げの御準備にほかならない。

まず僧団勢力を、味方にひきいれておくことは、対関東の作戦上には、欠くことのできない策である。――で、天皇行幸とあわせて、紀州の高野山、播磨の大山寺、伯耆の大社、越前の平泉寺――この地方四大社寺へたいしても、一朝のさいには、王事に協力あるべしと、懇諭の密勅がくだされることになったという。