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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(一)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(一) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 246.214 Zeichen · 495 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、自分が詫びようとでも思ってか、床几の腰を浮かしかけると、

「右馬介、おまえは黙っておれ。わしのしたことだ、わしが物申す」

すると、返辞は、足軽頭が奪い取って。

「なに、物申すだと。御献上のおん犬に、土足をくれて、なんの言い条がある」

「ある」

又太郎は、残りの一杯を、ゆっくり飲みほした。

「犬に訊け。蹴ったのではない。足で頭をなでてやったまでのことだ」

「ば、ばかな言い抜けを。蹴られもせぬおん犬が、なんであんな声を立てるものか」

「いや、獣がしんによろこぶと、ああいう声を出すものだ」

「こいつめが、人を小馬鹿にするもほどがある。酔うての上の悪戯かと思えば、さては故意にやったな。検断所へつき出してやる。さあ立て。者ども、そいつらを引っぱり出せ」

「まあ、待て、わしの言が、うそかほんとか、見た上にしても遅くあるまい。これこれ、そこな犬殿の家来。もいちどわしの前へそれを曳いて来い」

「どうする」

言ったのは、大勢の端で、犬を抑えていた布直垂の犬使いらしい男だった。

「――おれが抑えていればこそだが、押ッ放したら、汝れのどこへ噛ぶりつくかも知れぬぞよ」

「おおよいとも。