Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
きっと、不良少女や思われたんやな」
午少し前に渋谷から電話で、明日の歌舞伎の切符が取れたことを知らして来たが、今日は一日することがないので、午後から銀座に出てお茶を飲み、尾張町でタキシーを拾って、靖国神社から永田町、三宅坂辺を一と周りして日比谷映画劇場へ着けた。妙子は日比谷の交叉点を横切る時に、窓の外の通行人を眺めながら、
「東京はえらい矢絣が流行るねんなあ。今ジャアマンベーカリーを出てから日劇の前へ来る迄に七人も着てたわ」
「こいさん、数えてたのん」
「ほら、見て御覧、彼処にも一人、彼処にも一人、―――」
などと云ったが、暫くすると何と思ったか、
「中学生が両手をポッケットに入れたまま歩くのん危いなあ。―――」
などとも云った。
「―――何処やったか、関西の中学校で、制服のズボンにポッケット附けさせないとこがあったけど、あれ、ええことやわな」
幸子はこの妹が、小娘の時から老せたことを云う癖があるのを知っていたが、もう実際にそんな云い方が似合う年頃になっているのだなあと感じながら、
「ほんになあ」
と、合槌を打ったりした。
三十三
その明くる日の歌舞伎座で、最後の吃又の幕が開く少し前、舞台の方の拡声機が絶えずいろいろな人の名前を、―――「本所緑町の誰々さあん」