Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 194.628 Zeichen · 371 Bildschirme
「あたしもちょっとぐらい見舞いに行ってやりたいけど、………」
「さあ、………貞之助兄さんに電話で相談してみたら、………」
「兎に角寝てからのことにするわ」
幸子は夜汽車で眠れなかったのを取り返すために、暫く二階の八畳で横になって見たが、何となく気に懸って寝付かれないので、あきらめたらしく降りて来て顔を洗い、お昼の御飯を早くするように台所に声をかけておいて、電話口へ貞之助を呼んだ。―――板倉の病気に、こいさんが呼ばれて駈け付けると云うことは事情已むを得ないとしても、あたし迄が顔を出しては、二人の関係をおおびらに認めたような結果になるので面白くないと思うけれども、水害の時にこいさんが世話になったことなどもあるのに、知っていながら見舞いにも行かずにいて、これきりになったら寝ざめが悪いような気がする、それに、どうも板倉は助からないのではあるまいか、あの男は頑丈な体をしているけれども、何処か薄命の相があるように思える、と、幸子が云うと、僕も何となくそんなような気がするから、ちょっとぐらいなら見舞いに行ってやっても差支えないが、………と貞之助も云ったが、しかし、奥畑もやって来るのではないであろうか、それだとお前が行かない方がよくはないか、などとも云い、結局、奥畑に打つかる心配がなければ行くのもよいが、長居をしないで帰って