Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
「そうかて、あんた、本家が黙認しますやろうか」
「それはまあ、有り得んことやな」
「そんなら、どうします」
「やっぱり交際を止めて貰わんならんかも知れんな」
「ほんとうに止めてくれたらええけど、内証で附き合うてたら、………」
「僕はこいさんが僕のほんとうの妹か娘やったら、云うことを聴かん場合には此方も勘当してしまうけど、………」
「そんなことしたら、尚更啓坊の所へ逃げて行くやありませんか」
そう云う幸子の眼の中には早くも涙が潤んでいた。成る程、此方も妙子を見放したことにして、出入りを差止めてしまえば、世間や奥畑家に対する申訳は立つけれども、それでは夫の最も嫌っている結果を、好んで招くようなものではないか。夫に云わせると、こいさんは自活の腕を持った二十九歳の女なのだから、僕たちが自分の思うように動かそうと云うのが間違っている、まあどう云うことになるか、一遍放り出して見るのも好い、それで啓坊と同棲するようなことになったとしても、仕方があるまい、そこまで僕たちが心配したら際限がない、と云うのであったが、幸子にして見れば、何よりもそう云う風にして妙子に「勘当」の烙印を捺してしまうことなどは、考えても可哀そうであった。