Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
「―――今月は菊五郎あれへなんだけど、来月はありまっせ」
「菊五郎は先月神戸の松竹へ来たよって見に行ったけど、東京や大阪で見るようなことあれへなんだ。保名をやったけど、延寿太夫も出えへんし、………」
「来月は菊五郎が舞台でほんまの鵜を使うて、長良川の鵜飼いの芝居をやるねんて」
「そしたら、新作物やねんな。―――あたしはやっぱり舞が一番見たいわ」
「そう云えば、こいさんの舞、富永の叔母ちゃんがえらい褒めてはりましたで。あんなに上手なことないやろう思うてた云うて」
「雪子姉ちゃんは乗らないの?」
と、正雄が東京のアクセントで云った。
「………」
見送る側の人になって幸子のうしろに立っていた雪子は、ニヤニヤしながら何か口のうちで云ったらしかったが、発車のベルが鳴り出したので誰も聞き取った者はなかった。が、姉と一緒に西下した彼女が、どうせ此方に居残る腹でいるだろうことは最初から読めていたので、姉も一緒に帰れとは云わず、当人も別段言訳もせず、自然に極まっていたのであった。
幸子は雪子の意見通り、妙子のことは全然姉に話さないでしまった訳であったが、妙子はあれきりそのことに就いて幸子が何も云い出さないのを、自分に都合が好いように解釈したらしく、その後日がたつに従って西宮通いがますます露骨になって行った。