Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme

Aozora Bunko

「お嬢さんは何と仰っしゃっていらっしゃるの」

「娘は何と云いますか聞いたことはないんですが、娘よりもわたくし自身の考がまだ極まらないもんですから、………」

「だから極めておしまいなさいよ、どうせ貰わずにいらっしゃる訳には行かないじゃないの」

「ええ、まあ、それはそうなんですが、ただ何となく、………こう、………何ですな、………今直ぐ新家庭を作ろうと云うところまで、気分が動いて来ないんですな」

「それはどう云う訳なのよ」

「別にどうと云う訳があるんじゃあなくって、ただ漠然と蹈ん切りの付かない気持ですな。ですから奥さんのような方に、傍から貰え貰えって云われて盛んに小突き廻されると、結局貰うようなことになっちまうかも知れませんな」

「じゃあ、あたし達にお任せになるのね」

「いや、そう仰っしゃられても困りますが、………」

「まあ、瓢箪鯰ねえ、橋寺さんは。―――一日も早く新しい家庭をお持ちになった方が、先の奥さんだって本当は草葉の蔭でお喜びになるのよ」

「何もそんなに死んだ女房のことを気にかけている訳じゃないんですよ」

「ねえ、丹生さんの奥さん、こう云う方は、端の者がお膳を据えて、箸を取るばかりにして上げなけりゃ駄目なんですから、構うことはございません、あたし達でどしどし進行させちまおうじゃございませんか」