Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
「何仰っしゃるのよ、今ここで裸体になれますか」
「何卒々々、―――その間われわれは廊下へ出ておりますよ」
「そんなことどうだっていいじゃないの、御牧さん」
と、光代が助け船を出した。
「そんなにママをおいじめになるもんじゃなくってよ」
「そう云えばこいさんも、この頃はよく和服をお召しになりますのね」
と、井谷は辛うじて身をかわした。
「狡いな、胡麻化しちまっちゃあ」
「はあ、近頃はこいさんも、洋服よりは和服を着る方が多くなって参りましたの」
「うちもだんだんお婆さんになった証拠や、云われてますねん」
と、幸子のあとから妙子が、無雑作に大阪弁で云った。
「でもそう云っては失礼だけれど、―――」
と、光代は妙子の絢爛な装いを見上げ見おろしながら、
「こいさんはきっと洋服の方がお似合いになるんじゃないか知ら、和服だって決してお似合いにならない訳じゃないけれども。―――」
「光代さん、お話の最中ですが、こちらのお嬢さんは妙子さんと仰っしゃるんだと伺いましたが、『こいさん』と仰っしゃいますのは?―――」
「まあ、御牧さんは京都人の癖に『こいさん』を御存知ないんですか」
「『こいさん』と云う言葉は、大阪だけのようでございますね。