Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
彼にして見れば妙子にこそ恨みはあっても、幸子や雪子を恨む筋はないようなものの、出し抜かれた口惜し紛れに蒔岡家全部を敵視して、報復手段を取るようなこともないとは云えず、たまたま雪子の縁談を耳にすれば、御牧の方へ聞えるようにどう云う曝露戦術を取るかも知れない。そんな場合を考えると、いっそ正直に事実を打ち明けて、諒解を乞う方がよいのではあるまいか。妙子のことは問題でないと云ってくれているのであるから、そうした方が、下手隠しにして後でバレたりするよりも安全であるし、案外何の事もなく済みはしないか。………いやいや、御牧自身は妙子についてどんな醜悪な事実があっても意に介しないであろうけれども、彼の周囲の人々、父の子爵や国嶋夫妻などが顰蹙せずにいるであろうか。殊に子爵や子爵家の親戚たちが、そう云うみだらな娘を出したような家庭と婚姻関係を結ぶことを許すであろうか。………
ああ、やっぱり今度も、………この話は駄目になるのだ、………雪子ちゃんには可哀そうだけれども。………
幸子はほっと溜息をついて寝返りを打った。そしてぱっちり眼を開けて見ると、いつの間にか部屋の中がすっかり明るくなっていた。