Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ろうば

老婆

小川 未明

Lesen Sie 老婆 (ろうば) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.436 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

……

晩方、私は便所に行く時二階を下りて、婆さんに「大変寒くなりましたね。」と問いかけると、婆さんは又例の小さな咳を三つばかりやって、枯れた手で眼肉の落ち窪んだ両眼を擦って、

「ア、大分寒くなったな。」といったばかり。

この時、私はやはり普通の婆さんでしかないというより他は思われなかった。何んで悪魔なもんか……普通の人の好い婆さんだと思った。明る日、私は鉄工場へ行った時仲間の者に向って、

「何処か安い間があったら移りたいと思うから探してくれませんか……何に今日や明日でなくってもいそがなくてもよいのだから。」といった。

晩方家へ帰ると、その晩から私は発熱がして頭が重くなった。風をひいたのだ。明る日は工場を休んで臥ていた。また便所に行く時下りて、婆さんに今日は風をひいたから休んだといったら、それは罪のない笑い方をやって、

「へへへへへ。」と笑って、やはり枯れた指頭で窪んだ両眼を擦って、決して気の毒だとも何ともいわなかった。

昼頃再び二階を下りた時に、私は、

「昨夜雨戸を閉めるのを忘れて眠たので風をひいたのだ。今日は咽喉が腫れましたよ。」と語ると婆さんはさも嬉しそうに、喜しそうに以前よりも、もっと罪がなさそうに、