Japanische Klassiker mit Furigana
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たいない
胎内
三好 十郎
Lesen Sie 胎内 (たいない) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.766 Zeichen · 136 Bildschirme
村子 あつッ、ツ! あついわよ! (いうなり、男の口からシガレットをつまみ取って、左の方の暗い隅の方へポイと投げる)
花岡 なんとかいってたっけな、おい! (さっきのつづきになっている)
村子 ふふ! なによ?
花岡 木戸って男が――
村子 そらそら! まだ私のいうこと、わかんないのね?
花岡 イテ、テ! 痛え、ちきしょう! 村子、おい! 村子! こら!
村子 こら! (バタッと肉をなぐる音がする)……ひどいから、私のいうこと聞かないと……(鼻声を出す)
花岡 だからさ……チ!
(二人のいうことは、言葉としての意味を失いかけている)
村子 (だしぬけに、さめた声で)あら!
花岡 う?
村子 だあれ?……だれなの? (左の隅の方を鋭くのぞき込む)
花岡 どうしたんだ?……だれもいるはずが――
村子 いるのよ! ほら! (その左の隅の、黒い地面に落ちて、ほとんど消えそうになったシガレットを、ナマ白い指がつかんでいる)
花岡 う! (とイキをのんで、瞬間ジッとその方をうかがっていたが、やにわにコートのシワの中から懐中電燈をとりあげて、光をサッとその方へ向ける)
(その光の輪の中に、最初に見えたのは、シガレットを指につかんだ、よごれしなびた片手。