Japanische Klassiker mit Furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme
「ああ、何という仕合者がこの世にいることか――のう、呉羽之介どの――」
呉羽之介はいぶかしげに、
「仕合者と申しますると――」
「そなたのことじゃ」
と、片里は煙管を叩きながら、
「わしはこれまであらゆる世の中を見て来たつもりだが、まずそなた程の仕合者を、二人と見たことはござらぬ」
「何で私が仕合者でございましょう」
と、呉羽之介は合点せずに、
「父親には夭く死に別れ、頼りの兄弟姉妹もなく、ただ母親ひとりの袂にすがって日を送るものでございます」
「いやさ、そなたはまだ此の世の中を、少しも知らぬ身じゃ程に、自分に天から恵まれた、こよない宝も宝と知らぬ――もしそなたが世界万人、誰れもさずかり得なかった大きな宝を授かっているたった一人の人間だと悟る時には、今に時めく大名より、はばかり多いが将軍家より、百倍すぐれた仕合せ持つ自分だと思いつくであろうが――それを若し今日にも気づかれたら、今迄とは生れ変ったような生々した気持で、明日からの日を送ることが出来るに相違ない」
呉羽之介はなおも不審が晴れないのでした。
「よその誰れもが授からぬとはどういう宝なのでございます」
片里は静かに若衆をながめて、