Japanische Klassiker mit Furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme
呉羽之介に思いは深しお春のおとめごころ
おお、もし一度彼女をごろうじ遊ばしましたらお二方とて此の私が、こうまで慕うのが無理はないと、屹度御解り下さいます」
「ほんにそなたをそれ程に迷わせた、乙女を拙者達も見たいもの、のう、露月どの」
「わしも絵かきのはしくれじゃ。そう美しい女子なら、是非一度は見て置きたい」
「さようなればお二方に、失礼乍らお願い申し上げまする。今宵も今宵、湯島なる、人目に疎き茶屋の奥にて、お春と会う手筈ゆえ、御都合よくばお邸より、かの家までお伴をいたしとう存じまする」
「それは何より良い都合」
片里は呉羽之介に盃を献じました。
秋の夕べの黄昏の色が、いつの間にか深くなって、座敷にも灯が照り、庭の秋草の花かげなる小燈籠にも火がはいり、淋しい音して松虫が、そこらの藪で鳴きはじめました。
呉羽之介に思いは深しお春のおとめごころ
世を佗びて、風雅でもなく洒落でもなく、詮方なしの裏長屋、世も宇喜川のお春が住むは音羽の里の片ほとり。色廓はつい程近く絃歌は夜々に浮き立ちて其処此処の茶屋小屋よりお春招べとの客も降るほどなれど、芸道専一と身を占めて、ついぞ浮名も流さぬ彼女も、ふと呉羽之介を見初めてより、初の逢瀬の歓びを、また繰返すことのためには、いまは命も、たましいもと打込んで、はたで眺める母の眼にさえあまる程の、うつけごころとなりおわるのでした。