Japanische Klassiker mit Furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme
呉羽之介は、そうした言葉には耳もかたむけず、露月に向って、
「お目にかかるたびにお礼を申さずにはおられませぬ。お描き下された絵すがたを、私は毎日床にかけて眺めておりますが、何日ながめても何とも言わず美くしく、どんな気持のあしい時とても、あの絵すがたを見さえすれば、かくも美くしく生れついたわが身の仕合せを思い出し、ついに物事に屈託もなくなってまいりまする」
「わしはまたあの絵を描いたということが一期の不覚と思われてならぬ」
と、露月はじッと相手をみつめて、
「もしあの絵さえ描かなんだら、そなたが自分の美に慢じて、放埒無頼の浅間しい身とはなりもせずに済んだであろうに――」
片里はかたわらから話を転じようとしました。
「そのようなことはさて置き、呉羽之介どの、この四五日相見ぬ間を、そなたはどうして過ごされたぞ。見ればどうやら嬉しそうな、しかしながら何となく、疲れたような影も見える――何やらわけがあるのであろう――包まず語って聴かせられえ」
呉羽之介は俄かにほんのりと頬を染めて、稍々はずかしげに媚びて笑ったのです。
「ほんに訳があると言えばあるような事があるのでございます――そんなに私は疲れたように、嬉しそうに見えまするか?」