Japanische Klassiker mit Furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme
総て、総て、罪でした――罪のつらなりでした。
何人の女が、自分に迷って死んだであろう……あまつさえ、旧い朋友を、刃にかけた事さえあるのです。
呉羽之介は我にも非ず戦慄しました。そして今迄の自分の罪悪が呪わしく、その呪わしい罪の源となった、かの絵姿が堪えがたく呪わしく成るのでした。
「よいよい。私も此処等が悟りを開く時じゃ。今迄随分限りなく愛されもし、酔い溺れもした。肉の歓びは、じゃが、どこまで繰り返しても同じこと……私は退屈した。此れからはあの御坊の弟子にもなって、有縁の人々の後世専一と祈ろうよ……」
呉羽之介は発心して、淋しく微かに笑を浮べました。そして虚無僧の尺八の如く背負った、背なる錦の袋を取って開けひらき、中からかの絵姿を取り出して、月の光に翳して見るのでした。
何という恐ろしい面影――。
「此れが私の罪の塊じゃ。まずこれを裂き捨てよう……」
呉羽之介は小刀を抜き放って、絵姿の若衆の胸板眼がけて突刺しました。と、その途端、彼れはキャッと悲鳴を発して前へと打倒れました。
其の悲鳴をききつけて、寺僧は本堂から下りて来ました。そして誰やら旅人が、おのが胸板を突き刺して、只一突で死んでいるのを見出しました。