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Japanische Klassiker mit Furigana

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わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

Lesen Sie 若殿女難記 (わかとのじょなんき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.611 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

奸臣一味はびっくりした、びっくりしてからほくそ笑んだ。言葉つきも態度も堂々たるものだし、殊に相貌が際立って凛然としてきた。「こいつは占めた上々吉だ」勝負はこっちのものだと思い、末席にいる紋太夫などは貧乏揺ぎをしたくらいである。若殿はお続けなされた。

「余は津山にある折から、藩政に就いてかんばしからぬ事のあるのを耳にしていた。父上が御病床に在すを幸い、重職らのうち奸悪の者あい計り、頻りに内政紊乱を策しておると申す、心痛のあまり余は人を遣わして精しく内偵させ、その事実なることを慥かめてまいった、今日はこれよりその罪条を挙げ、不臣の徒に屹度申付けるであろう――上!」

こう云って、巻物を取上げると、重職たちは一斉に頭を下げた。どうしてなかなか、とても一夜稽古のでっちあげとは思えない、張のある声はびんびんと書院の四壁に響きわたり、端座した体からは光を発するかと疑われる。「――第一条」若殿はこう読み始めたが、一々ここに挙げることはござるまい。第二条、三条と読み進んでゆくうちに、奸臣一味の者が妙な顔をし始めた。……どうも少し違うのである。挙げてある罪条は似ているが、一味で捏造したものとはどこかしら違う、第五条となり六条となるとますます違ってきた。