Japanische Klassiker mit Furigana
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
Lesen Sie 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.224 Zeichen · 269 Bildschirme
しかし蘆荻蒹葭は日と共に都市の周囲より遠けられ、今日では荒川放水路の堤防から更に江戸川の沿岸まで行かねば見られぬようになった。中川の両岸も既に隅田川と同じく一帯に工場の地となり小松川の辺は殊に繁華な市街となっている。
蒹葭は秋より冬に至って白葦黄茅の景を作る時殊に文雅の人を喜ばす。流行唄にも「枯野ゆかしき隅田堤」というのがある。「心も晴るる夜半の月、田面にうつる人影にぱつと立つのは、アレ雁金の女夫づれ。」これは畢竟枯荻落雁の画趣を取って俗謡に移し入れたもので、寺門静軒が『江頭百詠』の中に
漁舟丿※(「乂-丿」、第4水準2-1-8)影西東 〔漁舟丿して影西東
白葦黄茅画軸中 白葦黄茅 画軸の中
忽地何人加二点筆一 忽地として何人か点筆を加え
一縄寒雁下二秋空一 一縄の寒雁 秋空を下る〕
と言った絶句と同工異曲というべきである。
『江頭百詠』は静軒が天保八年『江戸繁昌記』のために罪を獲て江戸払となってから諸方に流浪し、十三年の後隅田川のほとりなる知人某氏の別荘に始めておちつく事を得た時、日々見る所の江上の風光を吟じたもので、嘉永二年に刊刻せられた一冊子である。