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Japanische Klassiker mit Furigana

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しじみだに

蜆谷

山本 周五郎

Lesen Sie 蜆谷 (しじみだに) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.957 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

のように、村名主が来て嫁のお直をつれ去った、「親類にもお咎めがあるそうだから」源兵衛はそう云った、「幸いまだ子供もできず、祝言して四十日あまりの、妻とは名ばかりの縁だから」それはうむを云わさぬやり方だった、荷物もきれいに持っていった。村人たちはまったく寄りつかなくなり、聞こえよがしに悪口を投げつけた。

――百姓は百姓でいるがいいのさ、柄にもなく戦場へのさばり出るからこんなことになる。

――兜首をあげるなんていばっていたが、こんどは自分の首が危ないじゃないか。

――分際を忘れたお先ばしりの罰だ。

そんな悪口は泣きながらでも聞きのがせたけれども収穫が終わるとさらにひどいことが行なわれた。庄屋の田からあがったものは云うまでもなく、自分の田地からとれた米で母の手に渡ったのは五俵にすぎなかった。理屈はいろいろあったが、「今年の作はみんな村の者がやったのだから」というのがおもだった。

「西畑でも同じことさ」と、母親はふるえる手で涙をふきながら云った、「働き手の又さんが出て、あとは寝たきりの平助さんをかかえた若いお八重さんひとり、どうなるものじゃない、やっぱり村の衆の手を借りなければならなかった、それで出来秋に受け取った米が六俵だ」