Japanische Klassiker mit Furigana
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おやぎとわかぎ
親木と若木
小川 未明
Lesen Sie 親木と若木 (おやぎとわかぎ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.937 Zeichen · 6 Bildschirme
あの、一年じゅうたっても、日の当たらないところにいたことを考えれば、いまの山吹の身の上は、どれほどかしあわせには相違なかったけれど、やはり、長い月日の間には、いろいろなつらいこともあれば、思いがけない不幸なめにも出あったのです。ある日、犬がやってきて、哀れな山吹の枝を一本かみ切ってしまいました。
「悪い犬だ、こんどきたら、ひどいめにあわせてやろう。」と、勇二は、山吹を見ながらいいました。けれど、もはや、こんなになってしまった山吹は、どうすることもできませんでした。
いつしか、秋となり、冬となりました。冬には、寒い、寒い日がつづいたのでした。地面は凍って、堅くかちかちとなりました。そして、草の葉や、木の葉は、霜のために傷んでそのころまで残っていたものもあったけれど、それすら見る影もなかったのであります。山吹の細い茎も凍って、しぼんでしまいはしないかと思われました。
しかし、山吹は、この寒気と戦って、ついに負けませんでした。やがて、春がめぐってきたときに、緑色の芽を、哀れな曲がった枝に萌やしたのであります。
去年の春は、あの日蔭にあったが、今年は日がよく当たるので、その葉の色は光沢がありました。