Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「私が悪いことは些っともないんだよ。今更後悔なんかするもんか」
「それじゃ消しましょうか?」
「まあまあ、それで宜いにしましょうよ。あやまると思って、奴さん帰って来まさあ。未だ明いているようだから、もしこのハガキが着かないようなら警察へ手を廻すぞって驚かしてやって下さい」
「着かなければ見ませんから、驚かしを書いても駄目ですよ」
「成程、坊ちゃんは学問がある。それじゃそれ丈けにしましょうよ」
「あなたのお名前は?」
「お由として下さい」
「御主人は?」
「亭主ですよ。新田長吉」
「何処です? 今いらっしゃるところは」
「平塚の踏切、辰さんところ」
「そんなことじゃ届きませんよ」
「大丈夫です。踏切の側の家で私は知っています」
「然うですか。辰さんも困るな。苗字は分りませんか?」
「辰んべえと言う丈けで苗字は聞いたことがありません。矢っ張り大工です。然う然う大辰って言いますよ」
「神奈川県平塚踏切、大辰様方、新田長吉様。大抵行くでしょう」
「御足労さま。実はもう一軒心当りがありますから、もう一本願います」
とお上さんは又ハガキを突きつけた。
「片山君、君一つ書いてやってくれ給え。この筆は実にひどい。