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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

「弱いですよ。知識階級は精神的の金持ですから、矢張りいけません。医者を一日に二度呼びます」

「おやおや、巧く取ッ占められましたな」

「ハッハハハ。冗談ですよ。それではお大切に」

と佐久間先生、ナカナカ味をやる。

絹子さんも郁子も追々快い方へ向いたが、一番始めに発病した千代子は中途でぶり返して又高熱に戻った。安心の積りで帰って来たお父さんは、

「気をつけなければ困るよ」

とお母さんの責任にした。

「随分気をつけているんですが、この二三日急に寒くなったからでしょう。直きに又下りますよ」

「下るものか。佐久間さんは何と言った?」

「別に何とも仰有いません」

「九度もあるのにそんなことじゃ困る。もう一度見て貰いなさい」

「でも食慾もございますし、元気も好うございますよ」

とお母さんは始終ついているのだから、能く分っている。

お父さんは御飯を一膳で済ませて、又郁子と千代子の病室へ行った。千代子の額へ手を当てて見て、

「あるね。咳も出る」

と言って、早速佐久間さんへ電話をかけた。先生は手の放されないことを丁度果した刻限だったから、直ぐ来てくれた。

「再三恐れ入りますが、余り熱が高い上に咳も出ますから……」