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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

先方は意地悪い小面倒なことを択りに択って訊くのだから、此方も、そら、先刻の英語の句のように、出来る丈け高く命を売るのさ」

と芳夫さんは四月から先生になるのだけれども、今のところは未だ学生気質が抜けない。治にいて乱を忘れず、師弟関係も常にストライキの折の要領でいる。

或晩代数の稽古が済んだ後、

「芳夫さんの方の大学も入学試験がむずかしいんでございますね。郷里の知った人の息子さんが二度失敗して今度は三度目でございますのよ」

と絹子さんが話しかけた。

「随分競争が激しいんですよ。五六千人来ますからね」

「まあ!」

「斯うなると、教職員丈けじゃ手が廻りませんから、上級の学生が手伝いを頼まれます。私も去年監督員を志望して日当を三円稼ぎました。二日で六円」

「オホホホホホ」

「しかしこれは受験生の油を絞った金だから持っているに忍びないと言って、皆と一緒に早速飲みに行きました」

「まあ乱暴な先生ですわね」

「先生じゃないんですもの。けれども背広を着ていましたから、受験生は教師だと思って、『先生、時間は後何分ございますか?』なんて改まって訊きましたよ。一寸具合の悪いものですな。