Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme
一
肉親の姉のことも、先々の生活のことも、一切考えない、どうでも一緒になりたいと、しゃにむに突進する美和子の情熱に、顔負けした新子は、一時は茫然としたが、しかし心の中は荒み切っていた。
もちろん、一歩も二歩も間隙のある恋愛であったにしろ、お互に理解し合った愛情を堅く信じていた美沢が、かように速かに自分の手から離れるとは思っていなかった。
むろん、やんちゃな妹が、何をいおうとも、もう一度美沢に会って、相手の気持を確かめたい未練が、切実に湧いた。しかし、美沢の心が変っていないとしても、美和子があきらめるはずはなく、結局は姉妹のあさましい競り合になって、お互に気まずい思いの数々を、味わわなければならぬと思うと、今更美沢に手紙一つ書きにくく、電話一つかけにくいような、割切れないものが、心の底に澱んでいた。
美和子が、眠そうに細目を開けた。静かに、首を廻らして、ジッと姉の視線を迎えた。
「もう何時……?」
「八時半頃じゃないかしら……」そう答えた新子の気持は、不思議なくらい、平静なものになっていて、自分でも気づかない内に、姉らしい微笑を向けていた。
「ねえ。お姉さま。