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Japanische Klassiker mit Furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme

Aozora Bunko

九

」と、前川がおだてるように云うと、

「そりゃとても。……新子姉さんだって、随分好きだったのよ。」いたずらっ子の美和子は、知ってか知らずにか、前川を更に心配させるような返事をした。

九

新子が、美沢という男を好きであったと聞かされて、前川には急に、自責の気持が起った。二人の相愛関係が破れて、美沢が、美和子の方へ走っている原因には、自分というものがあるのではないかと思ったからである。自分が、新子に必要以上に、親切にしたばかりでなく、あの思いがけない雷雨の中の出来事のために、二人の関係が崩れたのではないだろうか。自分は、新子の良人にも愛人にも、成り切れないくせに、徒らに新子の運命を狂わせているのではないかしら。そんなことを思うと、自分は今一層、新子を慰め、いたわる責任があるような気がした。

(あの演劇マニヤの圭子さんと、この恐るべき妹と、新子さんも大変だな)と、前川は考えながら、無邪気そうに、バナナを喰べている美和子を眺めていた。

「ねえ。サエグサへ、一しょに寄って下さる。」

前川は、腕時計を見ながら、「もう、五時ですな。いかがです。貴女が一人で、ゆっくりお買物なすった方が、楽しくありませんか。