Japanische Klassiker mit Furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme
「何ていったの?……」小さく思わず、口に出して呟いた。
「僕は、新子さんの幸福も不幸も解りません、サヨナラって! 云ってくれと云うの。お姉さんをあきらめて、しまったらしいのよ。あの前川さんを、お姉さんの愛人かパトロンかと思ったらしいのよ。あの方とお姉さん、何でもないの?」
「うるさいわよ。」姉は、つい険しい声で、きめつけると、顔をそむけた。さすがの美和子も、姉によっぽど悪いと思ったらしく、手早く寝間着に着換えると、電燈を消して、床の中へはいってしまった。そして、しばらくすると、この大胆なる恋愛行者は、もうかすかな寝息を立てているのであった。
考えまい考えまいとしても、頭の中に一杯拡がって来ることなら、いっそ考えて考えぬいて、疲れた時に眠ることにしようと、新子は眼さえパッチリ闇の中に、開けてしまった。
前川氏とたった一度一しょに、シネマを見れば、美沢に見つけられて、美沢が美和子と一しょに遊ぶ口実にもなれば、美沢が自分を思いあきらめる最後のとどめになるなんて、何という馬鹿馬鹿しいことだろうと苦笑したいくらいだったが、しかし、それを美沢に会って弁解する必要も感じなかった……。