Japanische Klassiker mit Furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme
ほとんどクラス・メートばかりなので美和子は、はればれと、
「今日ア。」と、おどけて、珠子のいるソファにトンと腰をおろした。
「美坊、おそいんだもの。心配したよ。どうしたのさア。」と珠子がいった。
「だってエ。相変らず、お姉さまのガチがうるさいもの、機を見て出て来たのさ。」
家にいる美和子とは、似て似ぬほど、ほがらかで、しかもお互に男のような、言葉づかいの乱暴さであった。
「とても、今日ラッキイなのよ。お兄さまのお友達で、新音楽協会の練習所にいる人で、とてもハンサム・ボーイを、お兄さまが呼んであるんですって……」
「へえ――」
キラキラ笑いにうるんだような美しい瞳をみはって、一わたり友達を見廻すと、美和子は、
「で、解った、道理で、ター公のお化粧が念入りだとさっきから、感心していたのさ。」
「チェッ! 生意気いうな。こいつめ!」と、殊子に肩先をつねられそうなのを、仰山に飛びのいて、
「めんちゃい! めんちゃいっ!」と、向う側のソファに逃げた。笑いや、色や香りや、花園のように小鳥籠のように、華やかで、騒々しかった。
その騒ぎの内に扉が開いて、珠子の兄が、笑いながら立った。