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Japanische Klassiker mit Furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme

Aozora Bunko

(今年は、私を清算して美和子も、清算なすったようだから、かえって激しい生彩で、芸術に精進していらっしゃるだろうが、私は……)と、考えながら、新子は何か恥しさで、身内が熱くなった。

大恩は謝せず――新子は今のようになってしまっては、前川に礼をいうことさえも、空々しいほど、世話になり過ぎ、新しい好意を辞退するのが可笑しいほど馴れてしまっている。酒場は成功して、一夜の売上げが少い時で、五十円、多ければ百円に上っている。その上、店が安定するまでの費用という名目で、開店当時、前川から三百円ばかり貰った。

新子も、草履を買ったり、好みの帯止めを買ったり、ドロンウォークの麻のハンカチーフを、半ダース買ったり、実用というのではない、形のピチリとした足袋を買ってみたり、そうした消費は、女性にとっては不思議な魅力を持った快楽である。

このような状態では、激しい恋慕もなく、媚びる気持もなしに、こうした生活を与えてくれた前川の愛撫を待つことになるであろう。現に昨夜は、恋愛に近い情熱で、前川の愛撫を待った自分ではないか。このまま進めば、結局自分のすべてを与えて、一茎の日かげの花、パトロンと愛人との関係に、青春の日を棄てて行くのではあるまいか。