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Japanische Klassiker mit Furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme

Aozora Bunko

不意のお客だろうか、階下が何かざわざわしている。そう思っていると三十分ばかりしてその自動車は帰り去った。

間もなく、階下はしずかになったが、その静けさの中に、ほのかに氷を砕くらしい音が伝わって来る。新子は「おや!」と思いながら、耳をすました。

ここの部屋からは、窓を明けると、闇に面するばかりで、何もうかがえなかったけれど、常の夜とは異なって、母屋の方が薄ら明るかった。

新子が廊下に出ると、階段の口が、パッと明るかった。新子は、まだ寝衣にも着更えていなかったので、そのまま女中部屋の方へ降りて行った。

すると、氷嚢を持った女中に、パッタリ出会った。

「どなたかお悪いの?」

「はア、お嬢さまが――」

「まあ、祥子さまが……どこがお悪いの?」

「お風邪を召したんでしょうが、お熱が三十九度もおありになるんですの。ご夕飯がすむと、急にお熱が出て、今お医者さまがいらしったんですの。」と、女中も不安そうだった。新子は、さっき、祥子が夕立にぬれていく度もくしゃみをしていたのを思い出した。

「そうお。私、お見舞いに伺いたいんですけれど、伺ったらいけないでしょうかしら。」と、夫人に対する気兼で、おそるおそる訊ねた。