Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.416 Zeichen · 53 Bildschirme
しかしやがて、牛込御門をはいったとき、去定は力なく首を振り、右手の手首だけで、なにかをぬぐい去るような動作をした。
「いや、そうじゃない」と去定はくたびれたように呟いた、「おれにはそんなことはできない、おれはやっぱり老いぼれのお人好しだ、かれらも人間だということを信じよう、かれらの罪は真の能力がないのに権威の座についたことと、知らなければならないことを知らないところにある、かれらは」と去定はそこで口をへの字なりにひきむすんだ、「かれらはもっとも貧困であり、もっとも愚かな者より愚かで無知なのだ、かれらこそ憐れむべき人間どもなのだ」
薬籠を背負って、登といっしょに供をしていた竹造が、壱岐さまのお屋敷です、とうしろから吃りながら声をかけた。去定はびっくりしたように立停り、左手を見て、それから竹造を睨みつけた。竹造は困ったように登を見、登は門番小屋のほうへ歩みよっていった。
去定と登は脇玄関からあがっていった。
接待で茶菓のもてなしがあり、川本靱負という家老が挨拶に出た。去定は茶にも手をつけず、挨拶が終るとすぐに、「今日は薬礼をもらって帰るから御用意を願いたい」