Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.416 Zeichen · 53 Bildschirme
「少し蒸すようだな」と半太夫が云った、「ここをあけておこう」
窓の障子をあけてから、彼は坐った。
「今日はまったく疲れているんだ」
「避けるのはむだだよ」と半太夫が云った、「はっきり事実にぶっつかって、さっぱりするほうがいいんじゃあないか」
「ちぐさのことなら聞くまでもないよ」
「じゃあなぜまさをさんに会わないんだ」
「おれが、会わないって」
「ここへ訪ねて来て、一刻以上も待ったことがある」と云った、「いることはわかっていたが、どうしても会ってくれなかった、と云っていたがね」半太夫は軽い咳をして、続けた、「――今日は私が応対に出たんだ、すると、ぜひ話を聞いて、保本さんに伝えてもらいたいことがあるという、たいへん思い詰めているようすなので私の部屋へとおしたんだ」
「聞きたくないね」と登は首を振った、「ちぐさのことなんか聞きたくない、胸がわるくなるよ」
「それならなおさら、きれいに吐き出してしまうがいい、問題はほかにもあるんだ」
登は疑わしそうに半太夫を見た。
「天野さんは保本をここから出して、御目見医にする手配をしているそうだ」
登の唇がきっと一文字になった。
半太夫は話しだした。