Japanische Klassiker mit Furigana
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うんめいのままに
運命のままに
豊島 与志雄
Lesen Sie 運命のままに (うんめいのままに) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.406 Zeichen · 57 Bildschirme
空は晴れていたが、ただ黒い布をうち拡げたようで、星の光りも見えなかった。私達の前には淋しい軒灯がぽつりぽつりと遠くまで続いていた。
「寒かないか。」
「いいえ。あなたは?」
私はそれには答えないで他のことをふと尋ねてみた。
「遠くへ行くかも知れないと手紙に書いていたが、一体何処へ行くんだい。」
「どうだか分らないのよ。」
「何だ、まだ分らないのか。でも近いうちにと云っていたじゃないか。」
「それは近いうちなのよ。」
「では行く場所も分ってるだろう。」
「ええどうだっていいのよ。……いえあなたにお知らせして別に悪いことがあるんじゃないわ。でも何だか……。」と云いかけてお島は笑った。「向うに行ったらすぐお知らせするわ。私もどうなってもいいと思ってるのよ。」
「一体何のことだい。」
「あとで分るわ。だけどあなた、私のような者といつまでも知り合いになってるのは嫌でしょう。私はそう思ってよ、あなたにはもうこれきりお目にかかれないかも知れないような気がするわ。」
「いや僕はお前の心と大変親しいように思える。また屹度逢えるような気がしている。手紙をまたおくれよ、ね。」
「ええ差上げるわ。