Japanische Klassiker mit Furigana
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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme
がわるい、きゅうに医者にも見せたがまにあわなく、そのうちまもなく息を引き取った。あなたにお知らせするまもなかったは残念ながら、まことにいい終わりでありました」
こう聞かせられて、お政はひととおりならずよろこんだ。見る見る顔色がおだやかになった。いつ何時どんなところで無残ななくなりようをすることやらと、つねづねそればかりを苦に病んでたのだから、まことにいい終わりようでありましたと告げられて非常によろこんだ。お政のそぶりはよく使いのふたりを動かした。
「それはほんとうのことでしょうね。それはほんとうでしょうね。わたしもそれを聞いて安心しました」
「人ひとりなくなったのを、けっこうというはずはないが、まあ、ああして終わりますれば、ハイ定命はいたしかたないとして、まずけっこうでござります、ハイ」
「まあ暗くなったこと。かってなことばかり申して、あかりもださずに、なんという無調法でしょう」
お政はきゅうにやとい女を呼んで灯明を命じ、自分は茶の用意にかかった。しとしとと雨は降る、雨落ちの音が、ぽちゃりぽちゃりと落ちはじめた。使いの人らは、二里の夜道を雨に降られては、と気づかうさまで、しきりに外をながめて、ささやいている。