Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.006 Zeichen · 25 Bildschirme
それは、辰に表を見張らせている、ほんの半刻(一時間)ほどの間のことだ」
「…………」
「お前には見当が付かないか、痣の熊吉は誰だ」
「滝三郎ですよ、親分」
「どうして滝三郎が痣の熊吉だ」
「外に男っ気がないじゃありませんか。それに滝三郎の腰に差していた尺八は、あんまり太すぎると思ったら、こいつは仕掛けもので、中に散目鋸と鑿と廻し錐が入っていましたよ」
「そんな事もあるだろう。――それじゃ滝三郎を殺したのは誰だ」
「…………」
「穴蔵の中であれほどの業の出来る奴、小柄で、首筋に真っ赤な痣のある奴、――八、その紙入の中を見ろ。女持ちの可愛らしい品だが中には大変なものが入っているはずだ」
「ヘエ――」
畳の上に落ちていた赤い羅紗の紙入を開けると、小菊が二三枚と、粉白粉と、万能膏の貝と、小判形の赤い呉絽の布と――その布の裏には、ベットリ膏薬が付いているではありませんか。
「あッ」
おどろく八五郎、間髪を容れず、
「熊吉、御用だッ」
平次が一喝を喰わせるのと、巨大な赤い鳥のパッと飛ぶのと、部屋の灯が消えるのと、下っ引の辰が悲鳴をあげるのと一緒でした。
「八、曲者は外へ逃げた。お前は表へ行け、俺は裏から廻るッ」