Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.006 Zeichen · 25 Bildschirme
――綺麗な女房の方は俺の鑑定じゃ納まるまいが、大きな仕事ならちょうど良いのがあるぜ」
「ヘエ」
「例えば、近ごろ三輪の親分が追い廻している、痣の熊吉だ。下谷浅草から神田小石川へかけて二三十軒も荒らし、人間も五六人斬られているが、どうしても捉まらねエ」
平次の言うのは尤もでした。去年の暮あたりから風のごとく去来する怪賊、金高にして二三千両もかせいだことでしょうが、文字通り神出鬼没で、江戸中の岡っ引が、束になって追い廻しても、なんとしても捉まりません。
「そいつはあっしも心掛けているが、首筋に火の燃えるような真っ赤な痣のある人間なんか、滅多に見付かりませんよ」
兇賊は何の変哲もない小男で、黒い覆面をしたっきり、町人風の小気のきいた様子で、たいてい宵のうちに入り、往来がまだ賑やかなうちに、いずこともなく逃げうせるのが特徴とされております。
もう一つの特徴は覆面の下から見える左首筋に、小判形の真っ赤な痣のあることと、それから、恐ろしく手の利くことと、身体が人間離れがしているほど軽捷なことです。
「で、まるっきり見当が付かないのか」
「ヘエ、首筋に痣のある人間さえ見付かればワケはないんだが」