Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もん

門

夏目 漱石

Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

と聞いた。

「私が宜道です」と若い僧は答えた。宗助は少し驚ろいたが、また嬉しくもあった。すぐ懐中から例の紹介状を出して渡すと、宜道は立ちながら封を切って、その場で読み下した。やがて手紙を巻き返して封筒へ入れると、

「ようこそ」と云って、叮嚀に会釈したなり、先に立って宗助を導いた。二人は庫裡に下駄を脱いで、障子を開けて内へ這入った。そこには大きな囲炉裏が切ってあった。宜道は鼠木綿の上に羽織っていた薄い粗末な法衣を脱いで釘にかけて、

「御寒うございましょう」と云って、囲炉裏の中に深く埋けてあった炭を灰の下から掘り出した。

この僧は若いに似合わずはなはだ落ちついた話振をする男であった。低い声で何か受答えをした後で、にやりと笑う具合などは、まるで女のような感じを宗助に与えた。宗助は心のうちに、この青年がどういう機縁の元に、思い切って頭を剃ったものだろうかと考えて、その様子のしとやかなところを、何となく憐れに思った。

「大変御静なようですが、今日はどなたも御留守なんですか」

「いえ、今日に限らず、いつも私一人です。だから用のあるときは構わず明け放しにして出ます。今もちょっと下まで行って用を足して参りました。